7年間(原題7 años)

机を中心に位置関係で敵味方を表現している手法(たぶん)が面白い。
【作品概要】
公開:2016年
上映時間:77分
監督:ロジャー・グアル
出演キャスト:パコ・レオン、フアナ・アコスタ、フアン・パブロ・ラバ他
あらすじ
仕事のパートナー4人で犯した罪。1人だけ刑務所に行くとするなら、それは誰か?開かれた話し合いは緊迫し、人間関係とそれぞれの本性が試される。
感想
国税調査が来るからとにかく貧乏くじを誰に押し付けるかっていう話し合いがあるのみ。
必要なのかよくわからない仲裁役のおじさんを交えて、ほとんど机のまわりだけで話が展開していく。
で、そのおじさん、流れ的には企業のクレーマー対策とかの専門家風なんだけど詳細は謎。そのせいもあって、正直このおじさん大したこと言わないし、埒明かないときに途中で帰ろうとするし、全力で引き留めてまでいてもらう必要ない気がした。だからこのおじさんを生贄にしようとしてるのかなとか思ったり…笑
そんなミステリアスなキャラだから、エンドロール中にタクシーに乗るおじさんが出てきたときは何かどんでん返しか!?と思ったらただタクシーに乗ったおじさんを映し続けるのみでほんとにあれは何だったんだ?何か意味があったんだろうか?
そして話し合ってるうちにその時々でどっち派かっていうのが分かれていくんだけど、おそらくそれを机の左右座る位置で分けてるっぽいのは面白くて感心した。しかもそれを“椅子に座ってられないタイプの人がうろうろしだす”とか“けがの治療をする”とか自然な流れで席を空け、自然と空いた席に収まっただけという風にしか見えない中でやってのけたのはすごいなと思った。
ラストは何かひっくり返してくるかなと思いつつもそのままだったけど、制作陣が描きたかったのはこうだったんだなっていう納得できる面白さだった。
評価:7/10点
自分の身を守るために糾弾しあい、それぞれの立場がコロコロ変わっていく姿は面白かった。