トンネル 闇に鎖された男(原題터널)

トンネルの中の闇と韓国社会の闇が怖くなる映画。
【作品概要】
公開:2016年
上映時間:126分
監督:キム・ソンフン
出演キャスト: ハ・ジョンウ、ペ・ドゥナ、オ・ダルス他
あらすじ
自動車のディーラーとして働くジョンスは、大きな契約を成功させ、意気揚々と妻のセヒョンと娘が待つ家へ車を走らせていた。しかしジョンスが山中のトンネルに差し掛かった時、突如頭上から轟音が鳴り響く。尋常ではない音と揺れに不安がよぎったのも束の間、トンネルは崩落しジョンスは車ごと生き埋めになってしまう。ジョンスが目を覚ますと、周囲は巨大なコンクリートの残骸に囲まれ、手元にあるものはバッテリー残量78%の携帯電話、水のペットボトル2本、そして娘への誕生日ケーキだけだった。一方、トンネル崩落のニュースは瞬く間に国内を駆け巡り、救助隊長のキムらが現場に駆け付けるが、その惨状は想像を遥かに超えるものだった―。
感想
奥さんがかわいくてけなげなのが見ていてつらい…
思ったよりトンネルに閉じ込められるのが早くて展開大丈夫かと心配になったけど、途中で相方を作るとか緩急うまく考えられてる気がした。
そして災害の時に自分の人気稼ぎのためだけに現場に来る邪魔な政治家とか世界中あるあるだなーと思いつつ、いろいろ理由をつけて救出中止にしようとするところなんかは“韓国…?”と思ってしまった。
普通日本だったら、経済面での理由で中止にしたい企業と助けろって思う国民の板挟みになる政府って感じになると思うんだけど、まさかの国民も中止派…
災害が理由ならまだしも普通に施工不良の人災やん…
中止も何も当初の施工業者の責任ですべてやるのが筋だと思うけど、韓国では手抜き工事が当たり前だから施工者責任とかそういう概念がないのかな。
ひとつ気になったのは、エンディングで自分以外の被災者に思いを馳せないのがなぜかってところ。閉じ込められた自分のことを理解できるのはその人だけだったはずなのになぜ何も思ってない風なのか。
その辺も“自分さえよければいいや”っていうのが国民性なのかなって思えてしまう作り方になってたから、そういうシーンを一瞬でも入れてればよかったと思う。
評価:8/10点
他人より自分たち優先って空気感の怖さが良く出てた気がする。というか韓国での大事故の後処理とかまんまこれやんと思い寒気がする。