レストレポ前哨基地part1(原題Restrepo)

レストレポ前哨基地

今も世界色々なところで起こっている現実、当時のその最前線を描いたドキュメンタリー映画です。日常が非日常に蝕まれていく様を目の当たりにします。

【作品概要】

公開:2010年

上映時間:93分

監督:ティム・ヘザリントン、セバスチャン・ユンガー

あらすじ

ジャーナリストとカメラマンが、アフガニスタンの激戦地に配属された部隊に密着。過酷な任務、恐怖と不安、戦士たちのきずな。戦場のリアルが、克明に映される。

感想

アフガニスタン戦争の最前線であるコレンガル渓谷の駐屯兵に密着したドキュメンタリー映画。

アメリカの普通の若者が、谷間で不通に生活している人を間に挟んでタリバンと戦う姿が描かれています。

当たり前ですがフィクションの映画のような派手さはなく淡々と戦闘が繰り返され、時に敵味方民間人問わず当たり前に人が亡くなっていく環境です。

 

そんな中で印象に残った雑談のやり取りがありました。

“自宅の牧場で狩りができる”

“ここと同じだな”

“ここで狩るのは人間だ”

“感情がある”

“俺たちは感情も心も奪うんだ”

 

確かに敵側からしたら彼らは感情や心はおろか命まで奪ってしまう存在なんですが、はたから見ていてこう思わされました、“そこに駐屯する期間を通じてあなたたちも心を奪われてるんじゃないか?”と。

合間に挟まれる帰還後のインタビュー映像中、各人がしゃべっている中で特にそのことを思わせる印象深い若者が一人。

単に見ているといい笑顔をするやつってだけなんですけど、悲惨な話をするときも思わず笑みが出てしまうという感じで、一層悲壮感が出てるんですよね。

 

この映画自体も何年も前の作品で、アメリカでは帰還兵のPTSDも問題となっているので、この若者は今は元気になっているのかなと思ってしまうくらい心に来るものがあります。

 

監督のうちの一人、ヘザリントン氏はこの映画の撮影後、リビア内戦を取材中に亡くなられたらしいです。最前線まで密着するからこそこういう素晴らしい作品が作れるんでしょうけど…やるせないですね。

評価:9/10点

日常で戦争を実感することがない人や兵士を戦場に送り出す国家中枢部の人たちこそ見るべき映画。“英雄”が活躍するフィクションの映画ばかりでなくこういう映画が多くの人の目に触れてほしいです。