ある戦争(原題KRIGEN)

正義とは何かを問う作品だけど、決めつけた正義の押しつけなどの装飾がない良作。
【作品概要】
公開:2015年
上映時間:115分
監督:トビアス・リンホルム
出演キャスト:ピルー・アスベック、ツヴァ・ノヴォトニー、ソーレン・マリン他
あらすじ
アフガニスタンにおいて、市民に死をもたらす決断をしたことによって、デンマーク人兵士は戦争犯罪への非難に向き合うため帰国を余儀なくされた。
感想
物語的な浮き沈みはほとんどないけど、各個人の中での感情の揺れがものすごくよく描かれていた。
特に、“やりたいこと”と“やれること”のギャップへの苦悩。それは戦場でも日常でも変わらないってことが前半一番考えさせられたことかなと。
で、後半本題の裁判に入っていくところで、“正義とは何か?”“何が正義か?”って話に。
難しい話だと思うんですけど、なんで難しいのかと考えるとたぶん正義ってのがそれぞれの中にしかないものだからかなと思いました。
その瞬間瞬間に正しいと思う判断を下すしかないわけで(迷ってると死ぬ)、それを後から安全な場所にいる人がとやかく言うのは違う気がする。
そういった意味では原告側がストーリーありきで決めつけの正義を語ってる感じがして不快だった、弁護士?の態度も含めて。
でも、最終的には映画自体では何が正義とかの決めつけもなく、余計な装飾がなくて良かったと思う。
何が正義かということを各自が考えろということだと思うけど、結局正義なんて自分の中にしかないんだから自分の心に聞けって思いました。
評価:7/10点
“これこそが正義”っていう余計な押しつけがなくてよい。自分の正義は自分の中に持ちましょうって感想。